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アリは地球を救う!

2007年10月24日 アリは地球を救う!

タイトルは間違ってはいません。 地球を救ってくれるのは、愛(アイ)ではなくアリさん・・・・ 正確にはシロアリさんです。

皆さんはバイオマス(Biomass)という言葉を聞いたことがありますか?
もともとは生物量という意味の用語ですが、現在は植物資源のことをバイオマスと呼んでいることが多いようです。皆さんもニュースなどバイオマス・エネルギーという用語を聞いたことがあるのではないかと思いますが、これは植物資源を利用したエネルギーということになります。

例えば、サトウキビの搾りかすや、麦わら、稲わら、枯葉など、本来は捨てられたり、野山に放置されている植物資源を集めて、酵母などの微生物を用いる発酵の技術でエタノールを作り出すことをいいます。ブラジルではサトウキビの搾りかすから作り出したエタノール(バイオエタノール)とガソリンを混ぜたものが、すでに一般的に使用されていることは有名ですね。

さて、そこでタイトルの「アリは地球を救う!」ですが、シロアリの腸内共生生物の酵素を利用して、植物の主成分であるセルロースからバイオエタノールを作る技術が現在研究されているのです。
なにしろ、シロアリ君は木材をバリバリ食べて栄養にしてしまうぐらいですから、お腹の中で消化しているシステムを利用すれば建築廃材(木造家屋を壊した後の材木など)を利用して、バイオマスエネルギーを作り出すことも可能なんでしょうね。

補足
セルロースから直接エタノールを作るのではなく、酵素が糖を作り出し、その糖からエタノールが作られます。

by Nakajima

n-53050518 at 17:43 | この記事のURL | |