環境・バイオ科 ブログ 個別記事(化粧品・バイオ・環境 専門学校)

テクノロジーで社会を豊かにする。



環境と社会を守るバイオ技術者をめざす人の情報ブログ 環境・バイオ科blog

オープンキャンパス・体験入学

重大ニュース!(もう古い?ですけど)

2007年11月25日 重大ニュース!(もう古い?ですけど)

 もちろん先日Cell誌に発表された京大のヒトiPS細胞の樹立の話のことです。個人的には有名パティシエ鎧塚俊彦さんが川島なお美と結婚???ってのもヒットでしたし、ミシュランガイド(初版が欲しいんだけど入手できなくて・・・)の発売てのもありましたが、とりあえずそれは置いときましょう。

 万能細胞としてはこれまでもES細胞がありましたが、これは受精卵から樹立するので倫理的な問題が大きく、分化の研究や再生医療の技術開発についてまわる足かせとなっていました。それだけじゃなく、ES細胞に使われる受精卵は所詮他人ですので拒絶反応をどうするかという問題もありました。

 ところが、iPS細胞皮膚の細胞に必要な遺伝子を導入して作るので、ヒトの生と死というデリケートな問題には触れず、自己の細胞から作り出すことも可能です。このように今回のヒトでの成功はこれらの問題を一気に解決するもので(倫理問題は別次元のステージに入っただけという考えもできますが)、ブッシュ大統領がコメントしたり、文部科学省が5年で70億の予算を速攻で付けたりというのは、そういう理由によるものです。

 マウスの時点でも問題点として挙げられていましたが、iPS細胞はがん細胞に近い性質も持つため、体内でがん化しないために、分化をどのようにコントロールするか実用化に向けての重要な課題になります。安全性の問題もありますので、これからは分化と増殖をタイミングよく抑える方法の研究が推進されると考えられます。

 しばらく前から「21日に重大ニュースが発表される!」という話は聞いていたのですが、ニュースを見てなるほどなぁ・・・という感じです。去年、マウスの論文がCellに載ってからほんの1年少々でヒトでも成功。実はウィスコンシン大学のチームも同日にScience誌が繰り上げてウェブ上で発表しています。この分野は複数のチームが競争しているので非常に仕事が速いです。

 ところで、このような最先端研究もデータを取る作業は意外にアナログな作業だったりします。

論文を見ると(http://www.cell.com/ しばらくはトップにリンクがあると思います)主要なデータは

RT-PCRとウエスタンブロット、酵素活性の測定と顕微鏡観察

です(マイクロアレイも使ってますが・・・)。

どれも実習でやったものばかり・・・

これらの基本的なデータ収集が失敗するとそのぶん発表が遅くなります=競争に負けます。やっぱり実験技術の習得は重要なんだなぁと再認識した次第です。

 

(のざき@蒲田)

n-53050518 at 18:17 | この記事のURL | |