菊とナントカ・・・
2007年12月17日 菊とナントカ・・・
前回から少し空いてしまいましたが、野崎@かまたです。
さて、iPS細胞のその後の進展は空恐ろしいスピードで進んでます。がん遺伝子c−Mycを使わない方法の論文が出て、更にc−Mycを使わない場合にiPS細胞が得られる効率を高めるmicroRNA(興味のある人は調べてみてね)についても発表されたようです(無理してもパシフィコ横浜に行くべきだった・・・)。すごいねぇ。
とか言いつつも、最近野崎が興味を持ったのはキク科植物。それも野菊と呼ばれる植物だったりします。
みなさんは日本の国章(かどうかは議論の余地があるらしいが)が菊だと知っていましたか?パスポートにはバーンと描いてありますね。一重の菊の花です(ちなみに皇室の紋章はよく似ていますが八重です)。
以後まじめな話が続く・・・
日本には様々なノギクが自生していますが、実はそのうちの幾つかは実は野生種ではなかったことがわかっています。たとえばサンインギクは実はイエギクとシマカンギクの交雑種だったことが判明しています。菊の仲間は割と容易に交雑してしまうのです。
交雑の原因は主に栽培菊。庭や鉢植えだけでなく、お墓に供えられた花なども原因となります。また、ノギクでも人為的に植栽されたものが交雑の原因になることもあります。室戸岬では舌状花(大きな花びらのある花)の無いシオギクの大群落が有名でしたが、シオギクでは味気ないと遊歩道沿いに植えられたアシズリノジギクと交雑してしまい、純粋なシオギクが見られなくなってしまったようです。
最近はこのような事象を「遺伝子汚染」と呼ぶようですが、この呼び方は不適当なような気がします。事実上、ノギクの場合にはこのような交雑とその後の選択圧の歴史があって現在の個体群があるわけです。最近は保全が全盛のようですが、わたしたちが定義する「種」はがちがちに固まったものではなく、遺伝子が出入りする箱みたいなもので、必要な遺伝子が入り、不要な遺伝子は出ていく、その生物の基本システムをも止めてしまいたいというような保全に陥っていないかは自問する必要があるのではないか、と思います。
と、えらくまじめな話をしてしまったので、河内先生に倣って「今日の一冊!」
ホルモー六景(角川書店)
去年ふと手にした「鴨川ホルモー」(産業編集センター)が私の万城目初体験でした。これはそのサブストーリー集です。
まあとりあえず鴨川ホルモーから読んでみ。
この人のもう一作「鹿男あをによし」はTVドラマ化されるみたいです。玉木宏がアレになるの???
n-53050518 at 21:20 | この記事のURL | |